COLUMN

ボツリヌス菌毒素

コラム

検索ワード「小じわ」「表情じわ」「おでこのしわ」と調べると、「ボツリヌス菌毒素」や「ボトックス」という結果が出てくることだと思います。
ボツリヌス菌毒素(ボトックス)は注射用の薬剤で、直接しわのある部分に打っていきます。注射で皺が目立たなくなるなんて、とても驚きですね。一方で、打ち過ぎて能面のようになってしまうという話も聞いたことがあるかもしれません。確かに、一昔前は、全く表情のない能面のようになってしまった女優さんをテレビで見かけることがありました。私はそのような打ち方はしないように心がけていますが、表情を読まれたくないのでたくさん打ってほしいという方も一定数いらっしゃることは付け加えておきます。
今回は、ボツリヌス菌毒素(ボトックス)について話をしていこうと思います。

ボツリヌス菌毒素?ボトックス?

美容皮膚科のサイトを見ていると、ボツリヌス菌毒素のことを「ボツリヌス菌毒素」と書いていたり、「ボトックス」と書いていたりして混乱することがあるかもしれません。簡単に言うと、作用は同じです。ボツリヌス菌毒素の中ですごく有名な一級品の薬品名が「ボトックス」です。アラガンという会社が作っているボツリヌス菌毒素のことです。日本では、唯一、アッヴィー合同会社が取り扱いしています。ボトックス以外のボツリヌス菌製剤には、韓国製だけでも「ボツラックス」「リジェノックス」「ナボタ」など様々なものがあります。大抵のクリニックで、ボツリヌス菌毒素製剤とボトックスの両方を取り扱っています。なぜかというと、「ボトックス」は他の製剤に比べると高価だからです。お試しで受けてみたい場合や、一度にたくさんの箇所に打つ(つまりお金がかかる!)というような場合には韓国製でも十分な効果を得ることが可能でお勧めです。では、「ボトックス」のいいところは?というと、やはり品質が高く維持されていて安心感のあること、抗体ができづらい(=耐性ができづらい)ことに尽きると思います。どちらを打つのが良いかは主治医に相談してみましょう。

ボツリヌス菌毒素の驚きの事実

さて、ボツリヌス菌毒素とは、その名の通り、食中毒を引き起こすことのあるボツリヌス菌という菌の毒素から作られています。しかし、これが適切に使用されると、その毒性は奇跡的な美容効果をもたらすことができます。美容医療においては、この毒素を適切に精製・希釈し、奇跡的な若返り効果を発揮させます。
ボツリヌス菌毒素は、神経筋接合部に作用して筋肉の動きを一時的に抑制することで、シワや表情筋の動きを和らげます。この効果により、額や目元、口元のシワが目立たなくなり、若々しい印象を保つことができます。

ボツリヌス菌毒素の安全で効果的な使用方法

ボツリヌス菌毒素が美容医療で安全に使用されるためには、高度な技術が必要です。適切な量を適切な場所に注入することで、自然な仕上がりを実現し、副作用のリスクを最小限に抑えることができます。また、ボトックスの効果は良くも悪くも一時的であり、通常は3~6か月程度で効果を感じなくなります。ボトックスの効果が出ている間に、その筋肉自体の筋力が弱まると、徐々に効果が長く続くようになります。定期的な施術を受けることで、持続的な効果を享受することができます。

ボツリヌス菌毒素の副作用

ボツリヌス菌毒素を打つ際、いくつかのリスクや副作用が考えられます。まず、注射で直接注入するため、ほんの少しの痛みと内出血が起こりえます。当院では十分に冷やしてから穿刺します。それでも心配な場合には塗る麻酔が可能です。3-4日目には徐々に違和感が出てきます。このとき、打った場所によっては、口や目が開けづらいような気がすることもあるでしょう。次第に落ち着いてくることがほとんどなので心配はいりません。また、量や回数が多くなってくると、ボトックスに対する抗体が体内で生成されることがあり、耐性が生じることがあります。

ボツリヌス菌毒素製剤注射を受ける前に気を付けること

ボツリヌス菌毒素によるしわ治療(アンチエイジング治療)を受ける際は、信頼できる医療機関・医師の施術を受けることが重要です。ドクターの適切な知識と経験は、安全性と結果に直結します。また、施術前には十分なカウンセリングを受け、自分の希望や疑問をしっかりと伝えましょう。

ボツリヌス菌毒素にかかわる美容医療の未来

ボツリヌス菌毒素は、その驚異的な効果と安全性から、美容医療の分野で広く受け入れられています。今後も技術の進化と共に、さらに効果的で安全な治療法が開発されるでしょう。そして、今も未来も、美容初心者が踏み出しやすい治療の一つであり続けるでしょう。

記事の監修者

院長 塚尾祐貴子

SNOW MEDICAL
CLNIIC 院長

塚尾祐貴子

Tsukao Yukiko

資格
  • 日本外科学会認定専門医
  • 日本消化器外科学会認定専門医
  • 日本医師会認定産業医
  • ボトックスビスタ認定医
  • ジュビダーム認定医
所属
  • 日本外科学会
  • 日本消化器外科学会
  • 日本抗加齢医学会
  • 日本臨床外科学会
経歴
  • 大阪医科大学医学部医学科卒業
  • 大阪大学大学院消化器外科学専攻
  • 東京医科歯科大学大学院管理政策学(MMA)
  • 東京医科歯科大学大学院医療政策情報学
  • 大阪大学大学病院消化器外科
  • 都内美容クリニック青山院院長